研究課題
前年度までの解析において、ACTH産生腺腫においてmiR-132、miR-551bの発現が低下していること、両者のいずれかを発現させるとACTH産生腫瘍由来細胞株AtT-20の発現増殖が抑制されること、miR-551bの標的遺伝子の一つがEBBB4遺伝子であることを、ルシフェラーゼアッセイにより明らかにした。発現低下の機序を明らかにする目的で、2個のACTH産生腺腫および2個の正常下垂体組織より抽出したゲノムDNAをバイサルファイト処理した。miR-551bは第3染色体長碗26.2領域に位置するEGFEM1Pのイントロン3部分に位置している。miR-551bの正確なプロモーター部位は明らかにされていないが、EGFEM1Pのエクソン1とイントロン1にまたがる領域に42個のCpG配列があるため、この部分に焦点を当て解析した。その結果、正常下垂体およびACTH産生腺腫いずれにおいてもCpG部位はメチル化されていなかった。本結果は別の部位に存在するCpGアイランドのメチル化が関与している可能性やmiR-551bが位置する3q26.2のゲノムDNAのコピー数が減少している可能性がある。ACTH産生腺腫におけるゲノムDNAのコピー数の解析にはarray commpative genomic hybridizationなどの方法を用いる必要が有る。また、この解析過程においてACTH産生腺腫および非機能性腺腫において14q32に位置するインプリンティング領域におけるmiRNAクラスターやlong non-coding RNAの一つであるMEG3およびRTL1の発現が低下していることを見出した。この発現低下の機序の解析を進めている。
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