野生型マウスはマウスTSHRに対して強い免疫寛容を呈するが、TSHR KOマウスはこの免疫寛容を欠く。さらにKOマウスの脾細胞養子移入によりヌードマウスに抗TSHR免疫反応を誘導できるが、甲状腺機能亢進・TSAbが持続せず、容易に機能低下・BAb出現に陥る。本研究では、これらの免疫反応機序を詳細に検討した。種々の共抑制因子抑制、共刺激因子刺激による末梢性寛容抑制では抗体価上昇は見られたが、バセドウ病発症には至らなかった。一方中枢井性寛容は技術的な問題で検討はできなかった。よって末梢性寛容と中枢性寛容の相対的な重要性は比較検討ができなかった。また養子免疫後のバセドウ病は繰り返し免疫で維持できた。
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