後腹膜腫瘍に高Ca血症を伴う一例の、腫瘍のPTH大量発現をRT-PCRおよび免疫組織法で確認した。PTH遺伝子配列に異常はなかったが、幾つかのPTH遺伝子転写因子群の発現量が変動していた。RNA-seqで、コピー数増減が、PTHがある11番染色体に集中し、さらにATRX遺伝子や転写共役遺伝子med1、USP24が発現消失しており、またCYP24A1mRNAの発現量が著増していた。まずCYP24A1蛋白が大過剰に発現され、その発現細胞内において活性化ビタミンD濃度が激減し、PTH mRNAの産生が著明に増強され、さらに腫瘍化刺激が重なって、異所性のPTH発現腫瘍形成が起こったと考えられた。
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