B細胞系、形質細胞のがん化による多発性骨髄種の病態において、骨髄腫の微小環境を構成するマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)活性の重要性が示唆されている。本研究を通じて、研究代表者らは、各種MMPの活性化に関与する膜型MMP(MT1-MMP)が、B細胞、形質細胞分化に関与し、ストローマ由来のKit-ligandやstromal cell-derived factor-1、インターロイキン-7の分泌と、HIF-1発現誘導に伴うこれらの遺伝子発現を制御することを明らかにし、多発性骨髄腫の病態形成に寄与する可能性を示唆した。また代表者らは、ヒト骨髄腫病態を再現したマウスモデルの作製に成功した。
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