研究課題
骨髄増殖性腫瘍のうち、本態性血小板血症患者から血小板を分離し、血小板mRNAを抽出した。RT-PCR法でLnk mRNAを増幅し、シークエンス解析を行った。同時に、JAK2 V617F変異の有無について、allele specific PCR法と直接シークエンス法によって解析した。この遺伝子解析は愛媛大学ヒトゲノム・遺伝子解析研究倫理委員会の承認を得ている。その結果、本態性血小板血症患者28人のうちJAK2 V617F変異を21人に認めた。そこでJAK2変異陰性であった7人の患者でLnk遺伝子配列を調べたところ、1人にSH2ドメインにheterozygousな遺伝子異常を発見した。この変異はpolymorphismとしては報告されていない新たな変異であった。そこで、今回発見したLnkの遺伝子異常がJAK2 V617F変異と同じように恒常的にJAK/STAT系でリン酸化を起こし、シグナルが伝わっているかを確認することを計画し、今回発見した遺伝子異常のLnk変異体と、TPO依存性の細胞増殖を阻害すると報告されているLnk R392E、polymorphismとして報告されているLnk N537Dの3つの変異体を作成した。これらと野生型のLnkをBaF3細胞に遺伝子導入して、JAK/STAT系のシグナルについて検討した。さらにはマウスES細胞に遺伝子導入し、赤芽球系細胞または巨核球系細胞に分化させ、細胞分化についても検討した。
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PLoS One
巻: 9 ページ: e92848