研究実績の概要 |
c-Mybレポーターマウスを用いて以下を報告した。 1)c-Mybレポーターマウスは、いずれの細胞系譜においても、個々の細胞内のc-Mybタンパク質発現量をモニターできる。そのキメラタンパク質発現は、いずれの細胞機能においても阻害影響を示さない。2)c-Mybタンパク質の発現量に応じて、血液幹細胞は区別できる。c-Myb(Low)HSCs; dormant-HSCs, c-Myb(High)HSCs; homeostatic HSCs *HSCs移植実験、細胞周期測定、BrdUラベル長期保持による 3)c-Myb(Low)HSCsは、どの細胞系譜への強い分化バイアスは示さなかった(myeloid-biased HSCsが強い長期再構築能を有するとの報告とは異なる)*HSCs移植実験、発現遺伝子比較より。4)c-Myb(Low)HSCsは、CD150(high)とCD150(mid+Low)を含んでおり、このことが先の(3)の結果となったと考えられる。*myeloid-biased HSCsは、CD150(high)である。5)c-Myb(Low)HSCsのHSCs移植実験を続けていると、3次移植目で移植HSCs由来のmyeloid系譜が増えてきた。*c-Myb(Low)HSCs内のmyeloid-biased HSCsは、lymphoid-biased HSCsより長生きである(他の報告と一致する)。6)5-FU投与によるmyeloablationでのHSC活性は、c-Myb(pos)のみに見られた(c-Myb(neg)には全く見られない)7)このc-Myb(pos)HSCsは、HSCに必須な遺伝子を強く発現している。一方、強いlineage baiseは観察されなかった。*HSCs移植実験、発現遺伝子比較による。
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