研究課題/領域番号 |
24591402
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
安井 寛 東京大学, 医科学研究所, 特任講師 (40448593)
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研究分担者 |
石田 禎夫 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20305220)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 多発性骨髄腫 / 抗体医薬 / 改変抗体 / 三重特異性抗体 / 免疫細胞 |
研究概要 |
当該研究では、新領域の抗体医薬である三重特異性抗体の作成技術をもとに、骨髄腫に対して有効な抗CD38・抗CD3三重特異性抗体を作製する。作製抗体における標的分子との結合能、in vitroでの細胞障害活性、in vivo での抗腫瘍効果を評価し、その至適化をはかる。 初めに、複数のマウス抗CD38モノクローナル抗体を作製し、そのうち分子間相互作用解析装置BiacoreおよびFACSを用いてCD38分子との結合力が高い抗体を選択し、ヒト骨髄腫異種移植マウスにおいて著明な抗腫瘍効果を認める抗体を選択した。 その抗体と、抗CD3抗体のH鎖、L鎖可変領域遺伝子それぞれをクローニングし、ヒトIgGの定常領域遺伝子と融合した三重特異性抗体(CD3/CD38)遺伝子ベクターを作製、CHO細胞に導入し発現した三重特異性抗体(CD3/CD38)を作製し精製した。遺伝子ベクターを改変することにより、7種類のヒト化三重特異性抗体(CD3/CD38)を作製し、安定性、CD3, CD38, CD16 (Fc受容体)との結合能、in vitroでの細胞障害活性を評価し、2つの有望な抗体を選択した。 現在、これら2つの抗体について、in vivo での抗腫瘍効果を評価すべく、その実験系について検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
はじめの1年で、多発性骨髄腫に特異的な抗原を標的とした三重特異性抗体を複数作製でき、in vitro での抗腫瘍効果が確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
至適抗体の選択のためには、複数の抗体を作製し、スクリーニングしていくことが必要であることが分かった。至適抗体の作製、スクリーニングの評価系を確立するためには、実験のみならず、さらなる資料収集と、研究者間との情報交換や討論が必要であると考えられた。さらに、将来的に、出口を見据えた橋渡し研究へと展開するため、知財・薬事・レギュラトリーサイエンス・臨床試験論を含めた検討が必要と考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
in vitro, in vivo の評価系について、さらなる検討を進め、in vivo における抗腫瘍効果と安全性の評価を行う。至適抗体の作製、スクリーニングの評価系を確立するためには、さらなる資料収集と、研究者間との情報交換や討論が必要であると考えられ、積極的に行うこととする。さらに、将来的に、出口を見据えた橋渡し研究へと展開すべく、知財・薬事・レギュラトリーサイエンス・臨床試験論を含めた資料収集と情報交換が必要である。
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