研究課題
当該研究では、新領域の抗体医薬である三重特異性抗体の作成技術を有する研究チームとして、骨髄腫に対して有効な抗CD38・抗CD3三重特異性抗体を作製する。作製抗体における標的分子との結合能、in vitroでの細胞障害活性、in vivo での抗腫瘍効果を評価し、その至適化をはかり、実用化に向けた検討を進める。初めに、複数のマウス抗CD38モノクローナル抗体を作製し、そのうち分子間相互作用解析装置BiacoreおよびFACSを用いてCD38分子との結合力が高いモノクローナル抗体を選択の上、ヒト骨髄腫異種移植マウスにおいて著明な抗腫瘍効果を認める抗体を同定した。次に、同定した抗体と、抗CD3抗体において、H鎖、L鎖可変領域遺伝子をそれぞれクローニングし、ヒトIgGの定常領域遺伝子と融合した三重特異性抗体(CD3/CD38)遺伝子ベクターを作製、CHO細胞に導入し発現した三重特異性抗体(CD3/CD38)を作製し精製した。さらに、遺伝子ベクターを改変することにより、複数のヒト化三重特異性抗体(CD3/CD38)を作製し、抗体の安定性、CD3, CD38, CD16 (Fc受容体)との結合能、in vitroでの細胞障害活性を評価の上、選択した3つの抗体のうち、in vivo で抗腫瘍効果を認める1つの抗体を同定した。現在、この成果を実用化へとつなげるべく、知財権確保と産学連携についての検討を進めている。
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