研究概要 |
骨髄増殖性腫瘍 (MPN) 症例においてHMGA2の発現を検討し、病型間における発現の相異を認め、特に原発性骨髄線維症において検討したほぼ全例において亢進していた。また、HMGA2の高発現はlet-7マイクロRNAの低下およびp16プロモーターのメチル化と相関していた。これらの知見をAmerian Society of Hematology (Harada-Shirado, Ikeda, et al, Blood [abst], 2013)、日本血液学会において発表した。 HMGA2発現マウスモデルにおいては、若齢ではMPNを来すが (Ikeda et al, Blood, 2011)、高齢まで観察すると好中球系細胞の増加と無効造血を伴うMPN/MDS様の造血を呈したことも合わせてAmerian Society of Hematology (Ikeda, et al, Blood [abst], 2013)、日本血液学会において発表した。HMGA2発現マウスでは、造血幹細胞および前駆細胞分画の増加などを認めたものの白血化や骨髄線維化をみとめなかった。以上から、HMGA2発現は病態進行や細胞増殖に重要な役割を果たすこと、骨髄線維症において何らかの重要な働きをしている可能性があること、しかしながらHMGA2発現は骨髄線維化を来す直接の因子ではないことが示唆された。 上記の知見について、現在論文を作成中である。
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