ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬 (HDACI)は、リンパ腫や骨髄腫に対して有効な薬剤である。HDACIに対する耐性化機序を明らかにするために、複数のvorinostat耐性株を樹立解析し、次のことを明らかにした。耐性株は汎HDAC活性の低下を認め、特にHDAC3発現低下が特徴的であった。shRNAによるHDAC3の発現抑制により親株のHDACI感受性の低下を認めた。HDAC3遺伝子の変異やプロモーターメチル化は認めなかった。すなわちHDACI耐性化にHDAC3の発現低下が関与していることを見いだした。HDAC3発現低下機序については、さらなる検討を進めている。
|