白血病関連遺伝子RUNX1(AML1)は造血発生分化に関わる転写因子をコードする。今回RUNX1の2か所のアルギニン残基(R206/210)が受けるメチル化修飾の意義について検討した。この2箇所のRをリシンに改変した変異RUNX1蛋白は、転写活性化能がやや低減したものの、Runx1欠損マウスES細胞の造血分化を再獲得させる生物活性を保持していた。また、この変異を導入したノックインマウスでは骨髄球系、巨核球・血小板系、そしてB細胞系に明らかな変化を見出さなかった。しかしながら、このマウスでは末梢CD4陽性Tリンパ球が減少していた。RUNX1のメチル化は末梢CD4陽性細胞の維持において重要となる。
|