本研究においては、NF-κB阻害活性を有する生理活性物質1'-acetoxychavicol acetate (ACA)より、さらに強力な阻害活性を有するTM-233を合成した。TM-233は活性酸素(ROS)を産生し、骨髄腫細胞の細胞死を誘導した。TM-233は、JAK2およびSTAT3をリン酸化するとともに、NF-κB p65の核への移行を阻害した。さらに、ボルテゾミブ耐性骨髄腫細胞における、β-リングβ1、β2およびβ5領域を介してプロテアソーム活性を抑制し、細胞死を誘導した。TM-233は骨髄微小環境におけるNF-κB抑制活性を有し、多発性骨髄腫に対する新たな治療薬になる可能性がある。
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