研究課題
これまでにPlasminogen Activator Inhibitor-1(PAI-1)欠損患者の血液から樹立したiPS細胞を用いて、血管内皮細胞に分化させ単離した。この単離した血管内皮細胞についての詳細な解析を行った。1) 細胞の形状については、PAI-1欠損患者由来iPS細胞から単離した内皮細胞(PAI-1 iPS-ECs)は、コントロールiPS細胞由来内皮細胞(Control iPS-ECs)と大きな差異はなかった。2) 細胞の接着性について、継続培養していくとPAI-1 iPS-ECsで培養皿からの剥離が早かった。細胞間での接着についても検討中である。3) Tube formationについて、Matrigel上でiPS-ECsの培養を行いTube formationを観察したところ、PAI-1 iPS-ECsにおいて形成抑制が見られた。4) 細胞の遊走について、PAI-1 iPS-ECsはControl iPS-ECsに比べてVEGF存在下で遊走能の促進が見られたが、VEGF非存在下においてもPAI-1 iPS-ECsは顕著な遊走能が観察された。以上の結果より、血管新生先端部で見られるTip-Stalk内皮細胞間の相互作用において、PAI-1が寄与していることが示唆された。今後は、ヒトPAI-1と血管新生について、細胞接着等を含めた分子レベルでの詳細な検討を更に続けていく。
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PLoS One
巻: 10 ページ: e0122196
10.1371/journal.pone.0122196
J Clin Invest.
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