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2013 年度 実施状況報告書

核内蛋白質HMGB1ーRAGE経路を介した移植片対宿主病発症機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 24591424
研究機関岡山大学

研究代表者

前田 嘉信  岡山大学, 大学病院, 助教 (60403474)

研究分担者 谷本 光音  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10240805)
キーワードGVHD
研究概要

移植片対宿主病GVHDは、致死的移植後合併症として重要な克服すべき課題である。しかし、現在、用いられているシクロスポリンなどのカルシニューリン阻害薬やステロイドによるGVHDの予防法および治療法は主に活性化したT細胞に対する免疫抑制剤であるため、GVL効果や感染への免疫力の低下が避けられない。そこで過剰な“danger signal”であるHMGB1-RAGE系を制御することにより、免疫力を低下させることなくGVHDを抑制することを目的に以下の研究を行った。まず、我々は、RAGE がGVHDの病態に与える影響の検討として、ドナーであるB6(H2b)マウスの大腿骨から骨髄を採取し、autoMACSによってT細胞(CD90+)を除去した骨髄幹細胞(TCD BM 5x10e6)と脾臓から採取したT細胞(1x10e6)を用意。レシピエントにはB6 (H2b)とMHCの異なるBalb/c(H2d)マウスを使用しBalb/cに致死的放射線11Gyで前処置し、ドナー骨髄幹細胞およびT細胞を移植した。このマウスGVHDモデルで移植した結果、致死的GVHDが発生し組織学的にも確認された。次にこのマウスモデルを用い、RAGE欠損マウスがGVHDの病態に与える影響の検討を行った。RAGE欠損マウスをレシピエントとして用いた場合、コントロール群に比べ有意に致死的GVHDが発症し組織学的にも確認した。以上から RAGE がGVHDの病態に関与していることを明らかとなった。さらに、HMGB1がGVHDに与える影響をHMGB1抗体を用いて検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ドナーとしてB6(H2b)マウス、レシピエントにはB6 (H2b)とMHCの異なるBalb/c(H2d)マウスを使用し、Balb/cに致死的放射線11Gyで前処置、ドナー骨髄幹細胞およびT細胞を移植する。このマウスGVHDモデルで移植した結果、致死的GVHDが発生し組織学的にも確認された。次にこのマウスモデルを用い、RAGE欠損マウスがGVHDの病態に与える影響の検討を行い、RAGE欠損マウスをレシピエントとして用いた場合、コントロール群に比べ有意に致死的GVHDが発症し組織学的にも確認した。以上から RAGE がGVHDの病態に関与していることを明らかとなり、当初の目的の第一段階達成されている。抗HMGB-1抗体によるGVHD予防効果の検討をすでに行っており、おおむね研究の計画が達成されていると考えられる。

今後の研究の推進方策

抗HMGB-1抗体によるGVHD予防効果が確認されしだい、その詳細なメカニズムの検討に入る。また、RAGE がGVHDの病態に関与していることを明らかとなったが、血液系細胞か上皮系細胞に発現しているRAGEのどちらが重要であるかは、キメラマウスを作製することによって検討する。つまりT細胞を除去した骨髄のみを移植し2月間経過したマウスは、血液系細胞はドナーに、上皮系細胞はホスト由来のキメラとなる。このキメラマウスをレシピエントに使用することにより、両者の役割を明確にする。また、RAGEノックアウトマウスから樹状細胞を採取し放射線、または同種移植の刺激によりワイルドタイプのコントロールと比べて同種免疫反応を誘導しやすいかと検討する。さらに、可溶性RAGEの影響を調べるため、可溶性RAGE抗体を入手し生体内での効果を検討する予定である。

次年度の研究費の使用計画

当初予定したより消耗品が安価に購入できたため、使用した額がすこし抑えれたため次年度使用額が生じた。
当初の計画通り、引き続き研究を行う上で使用する計画である。

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公開日: 2015-05-28  

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