研究課題/領域番号 |
24591425
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
谷本 光音 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10240805)
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研究分担者 |
前田 嘉信 岡山大学, 大学病院, 助教 (60403474)
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キーワード | GVHD |
研究概要 |
マウス慢性GVHDモデルに、最も汎用されるドナーにB10.D2、ホストにBALB/cを使ったマイナー抗原不一致移植マウスモデルを用いて、皮膚上皮細胞のPD-L1発現が低下することにより、免疫寛容が破綻し慢性GVHDが発症することを明らかにするため以下の実験を行った。まず、B10.D2の大腿骨から採取した骨髄細胞からT細胞(CD90+)をautoMACSによって除きT細胞除去骨髄幹細胞(TCD BM 5x10e6)を用意。B10.D2マウスの脾臓からT細胞(1x10e6)を採取し、レシピエントBALB/cに致死的放射線11Gyで前処置し、ドナー骨髄幹細胞およびT細胞を移植した。その結果慢性GVHDが発生することを組織学的にも確認し、慢性GVHDが発症した皮膚上皮細胞からmRNAを抽出しRT-PCRにて発現を検討した。PD-L1発現、移植直後が最も強くその後慢性GVHDが発症する時期に低下傾向であることが明らかとなった。次にPD-L1抗体を投与することにより慢性GVHDが悪化すること、さらにPD-L1ノックアウトマウスをレシピントにして移植することによりコントロール群と比べ有意に慢性GVHDが増悪することが明らかとなった。さらに血液系細胞か上皮系細胞に発現しているPD-L1のどちらが重要であるかは、キメラマウスを作製することによって検討した。つまりT細胞を除去した骨髄のみを移植し2月間経過したマウスは、血液系細胞はドナーに、上皮系細胞はホスト由来のキメラとなる。このキメラマウスをレシピエントに使用することにより、上皮系細胞に発現しているPD-L1が重要であることを明らかにした。また、リンパ節と脾臓の細胞を解析した結果、慢性GVHDの悪化にはTh17とTh1細胞が関与していることを明らかにし、レチノイン酸AM80を投与することにより慢性GVHDを抑制できることも明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウス慢性GVHDモデルには、最も汎用されるドナーにB10.D2、ホストにBALB/cを使ったマイナー抗原不一致移植マウスモデルを用い、慢性GVHDが発生することを組織学的にも確認できた。この慢性GVHDが発症した皮膚上皮細胞からmRNAを抽出しRT-PCRにて発現を検討した結果、PD-L1発現は移植直後が最も強くその後慢性GVHDが発症する時期に低下傾向であることが明らかにした。さらにPD-L1抗体を投与することにより慢性GVHDが悪化すること、PD-L1ノックアウトマウスをレシピントにして移植することによりコントロール群と比べ有意に慢性GVHDが増悪することが明らかとなった。さらに血液系細胞か上皮系細胞に発現しているPD-L1のどちらが重要であるかは、キメラマウスを作製することによって検討した結果、上皮系細胞に発現しているPD-L1が重要であることを明らかにした。また、リンパ節と脾臓の細胞を解析した結果、慢性GVHDの悪化にはTh17とTh1細胞が関与していることを明らかにし、レチノイン酸AM80を投与することにより慢性GVHDを抑制できることも明らかにした。以上のように、計画はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
PD-L1発現が慢性GVHD発症に関与していることが明らかとなったが、今後は、制御性T細胞への影響とagonistic PD-1抗体を使用することにより慢性GVHDが抑制できるかと検討していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初予定したより消耗品が安価に購入できたため、使用した額がすこし抑えれたため次年度使用額が生じた。 当初の計画通り、引き続き研究を行う上で使用する計画である。
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