研究課題
本研究は、血液凝固第VIII因子に対する同種抗体(第VIII因子インヒビター)の発症リスクが高い重症型血友病A患者に対して、患者自身の体細胞から樹立した人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いた遺伝子細胞治療法により、インヒビター産生を特異的に制御するため臨床研究への応用を目的とする。本年度は、血友病Aマウス由来iPS細胞にSIVベクターを用いてAIREプロモーターの下流にヒト第VIII因子cDNAを連結させたコンストラクトを遺伝子導入させた後に、新規に確立したin vitro分化誘導系により胸腺上皮細胞へ分化誘導させ、高解像度超音波システムガイド下でマイクロインジェクション法を用いて、血友病Aマウスの胸腺組織に選択的に細胞移植を行った。FVIIIを発現するiPS細胞由来胸腺上皮細胞の移植マウスに対して、FVIIIの反復刺激により生じる抗FVIII抗体価をBethesda法により定量解析した。FVIII遺伝子を導入したiPS細胞由来胸腺上皮細胞の移植マウスは、非遺伝子導入胸腺上皮細胞移植マウスに比較してFVIII反復刺激後の抗FVIII価が有意に低下した(24.8±37.0 vs 98.9±69.1 BU/mL, p=0.025)。これらのことから、iPS細胞由来胸腺上皮細胞を用いた遺伝子細胞治療法は、血友病Aに対する免疫寛容導入療法の有用な研究基盤となると考えられる。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 3件)
J Intensive Care
巻: 3 ページ: 1-8
10.1186/s40560-015-0075-6
J Arthroplasty
巻: 29 ページ: 569-573
10.1016/j.arth.2013.08.011
Thromb Res
巻: 2014 ページ: 924-925
10.1016/j.thromres.2014.07.033
Pediatr Transplant
巻: 18 ページ: E270-273
10.1111/ petr.12358
Thromb J
巻: 12 ページ: 1
10.1186/1477-9560-12-1
J Med Virol
巻: 86 ページ: 1990-1997
10.1002/jmv.23818
Crit Care
巻: 18 ページ: R13
10.1186/cc13190
Haemophilia
巻: 20 ページ: e40-44
10.1111/hae.12311