研究課題
基盤研究(C)
TIARP欠損マウスにおいて、このマウスでは1年以内に80%が関節炎を自然発症し、脾臓マクロファージの増加及び血清中IL-6の濃度上昇を認めた。TIARP欠損マウスのマクロファージではTNFaで刺激するとIL-6産生が増強し、細胞内ではNFkBやSTAT3の異常活性化が認められた。また、このマウスにコラーゲン誘導関節炎を誘発すると顕著な増悪が認められ、TNF拮抗薬は無効であったが、IL-6拮抗薬で関節炎が著明に軽快した。これらのことより、TIARPはマクロファージに主に発言する、関節炎を負に制御する抑制性分子であることが明らかになり、この分子の制御異常が関節炎、とくにTNFa inhibitorが無効な症例でリンクしている可能性が示唆された(Arthritis Rheum. 2012).GPI全長に分布する環状シトルリン化GPI peptideを9部位(CCG-1-9)作成し、9部位のうち3部位のCCGに対しRAで特異的かつ強い反応が認められた。抗CCG-2,7、CEP-1、CCP抗体の陽性率はSEを有する群で有意に高かった。患者群で治療6ヶ月後には疾患活動性(DAS28)は有意に低下していたが、抗CCG-2,7抗体価のみは有意な低下を示し、疾患活動性と関連していることが示唆され、RAの活動性とリンクして変動することが想定され、診断マーカー、疾患活動性マーカーとしての可能性が示唆された(Clin Exp Immunol.2013)。
2: おおむね順調に進展している
論文作成が順調に進んでおり、(Arthritis Rheum. 2012, Clin Exp Immunol. 2013)さらなる展開が期待できる。
TIARPのヒトホモログであるSTEAP4に関してもさらに解析を進め、TIARP欠損マウスにおける破骨細胞にも注目して研究を進める。抗CCG抗体はRAでの病因的意義を探索するため、抗体のaffinity purifyを行い、シトルリン化たんぱく質との反応、またマクロファージを用いたin vitroでの解析を行う。
該当なし
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http://www.md.tsukuba.ac.jp/clinical-med/rheumatology/