研究実績の概要 |
A)関節炎におけるTIARP/STEAP4の制御メカニズムーヒト及びマウスの解析 1) in vivoでのTIARP-KOを用いた解析―K/BxN血清誘導関節炎を用いて、TIARP-KOマウスで関節炎が増悪することが判明した。好中球の局所での増加が極端にみられ、genechipでTIARP-KO好中球を解析したところCXCR1,CXCR2などのケモカイン受容体の発現上昇が認められた。現在さらに検討を進め、論文投稿予定である。2)ヒトの解析においてはCD14陽性細胞に注目し、RA患者CD14陽性細胞での発現増強が認められ、特にCD14+CD16-での発現が増強していることが判明した。抗TNFα抗体やIL-6受容体抗体治療でもこの分子が挙動することや、もうひとつのTNF誘導分子であるTNFAIP3と比較し、発表した(Takai C,et al. Clin Exp Immunol in press)。今後はSTEAP4をマクロファージに遺伝子導入またはノックダウンすることにより機能解析をさらに進めていく。
B)抗シトルリン化蛋白抗体(抗環状シトルリン化GPI抗体を含む)の病因的意義 3) 抗CCG-2,7抗体のaffinity purifyを行い、CCG2と免疫複合体を作成し、患者CD14細胞と共培養検討をしている。CCG7抗体は滑膜の多核細胞に沈着することが判明し、現在PAD2,4部分子やシトルリン化タンパクの発現との比較を行っている.4)GPIペプチド誘発関節炎 (T 細胞エピトープ免疫によりおきる)を開発しており、同様のプロトコールを用いて、シトルリン化タンパクが免疫皮膚で発現すること、またACPA産生が増強することが判明した。汎PAD阻害剤であるC1-amidineを使用し治療実験を行ったところ、関節炎が減弱し、皮膚局所のシトルリン化タンパクも低下していた。論文作成を行っている。
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