研究課題/領域番号 |
24591441
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
池田 啓 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (10456014)
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研究分担者 |
中島 裕史 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00322024)
高取 宏昌 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30568225)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | IL-6 / トシリズマブ / 関節リウマチ / CD4陽性T細胞 / DNAアレイ / Th17細胞 / RORgt |
研究概要 |
本研究では、IL-6を標的とした生物学的製剤トシリズマブ(TCZ)(ヒト化抗IL-6受容体抗体)が著効した関節リウマチ(RA)患者のTCZ投与前および投与後におけるCD4陽性T細胞の遺伝子発現変化を網羅的に解析することによりRAの病態への関与が推測される候補遺伝子を抽出し、マウスT細胞分化系、及びマウス関節炎モデルを用いてその機能に解析することを目的とした。 TCZ投与症例およびコントロール薬剤投与症例の有効例において、末梢血CD4陽性T細胞のDNAアレイ解析で治療後12週で有意にシグナル値の変動するプローブをそれぞれ上位100個ずつ抽出した。その中でTCZ特異的に発現が変動している遺伝子が18個抽出され、17遺伝子はTCZにより発現が低下する遺伝子であった。その中で従来ヘルパーT細胞分化に関する知見のない遺伝子Xに注目した。 ヒト末梢血およびマウス脾臓由来のナイーブCD4陽性T細胞から各種条件で分化誘導した細胞では、Th17細胞において遺伝子XのmRNA発現が亢進していた。マウス脾臓由来のCD4陽性T細胞にレトロウイルスベクターを用いて遺伝子Xを強制発現させると、興味深いことにTh17細胞分化が低下した。Treg細胞分化に対する影響はなかった。T細胞特異的STAT3欠損マウス由来のTh17細胞では遺伝子XのmRNA発現が著明に低下していた。レポーター解析では遺伝子Xの強制発現はRORgtによるIL-17発現を抑制し、またウェスタンブロットにより蛋白XとRORgtの直接結合が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定の方法により、IL-6阻害薬によりRA患者のCD4陽性T細胞で発現が低下する遺伝子を抽出し、CD4陽性T細胞分化における役割が未知の遺伝子Xを同定された。また遺伝子XのTh17細胞における発現の亢進、その発現誘導機構、さらにTh17細胞分化抑制機構が明らかとなり、おおむね平成24年度の研究計画通りに進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
1) 候補遺伝子のT細胞特異的トランスジェニックマウスの解析:遺伝子XをLCKプロモーターの制御下にT細胞特異的に発現するトランスジェニックマウスを作製し、表現型、特にヘルパーT細胞分化、並びにコラーゲン誘導性関節炎の重症度を解析する。 2) 候補遺伝子の遺伝子欠損マウスの解析:候補遺伝子の遺伝子欠損マウスを入手し、表現型、特にヘルパーT細胞分化と自己免疫疾患の自然発症、並びにコラーゲン誘導性関節炎の重症度を解析する。 3) RORgt以外の標的分子の同定:マウスCD4陽性T細胞にbicistronic retrovirusを用いて候補遺伝子を過剰発現させ、候補遺伝子のDNAへの結合を抗候補遺伝子抗体を用いた免疫沈降シークエンス法(Solexaシーケンシングテクノロジー)でゲノムワイドに解析する。 4) 新規血清バイオマーカー確立 3)で同定される標的分子中、分泌蛋白の測定系(ELISA或は蛋白チップ)を確立し、TCZおよび他の抗リウマチ薬(メトトレキサート、TNF阻害薬、アバタセプト)で治療された患者の治療前後の血清における候補分子のレベルを測定し、新規バイオマーカーとしての有用性を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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