研究課題
本年度の研究は、以下の2点を中心に行った。(1)ヒトBreg誘導の分子メカニズム:昨年度の研究において、ヒト末梢血IgM-memory B細胞がTLR9刺激下にて形質細胞分化へむかう段階でBreg能を獲得することが判明した。本年度は、その過程に関連するシグナル経路と遺伝子の同定を中心にBreg誘導の分子メカニズムのさらなる解明を試みた。その結果、TLR9刺激下流の複数のシグナル経路の中でSTAT3活性化が最も重要であることが判明し、STAT3活性化に関与する転写因子を数個に絞った。さらに、それらの転写因子に対するノックダウンB細胞を作成し検討した結果、Breg誘導能にはBlimp-1が最も重要であることが明らかになった。(2)自己免疫疾患におけるBreg機能異常の分子メカニズム:我々はこれまでに全身性エリテマトーデス(SLE)患者IgM-memory B細胞においてTLR9刺激によるBreg誘導能が質的に低下していることを見いだした。本年度は、エフェクターT細胞との共培養にてSLE患者Breg能について機能的評価をまず行い、IL-10抑制能を高度に失っていることを明らかにした。また、その分子メカニズムとして(1)で同定した形質細胞関連遺伝子Blimp-1発現について検討したところ、SLE患者BregにおいてはTLR9刺激に伴うBlimp-1誘導能が高度に低下していることが明らかになった。
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