研究課題
アレルギー性疾患に関連した遺伝子として新たに同定されたPHF11のIgE抗体産生に対する役割を解明するために、PHF11トランスジェニックマウスを用いて解析を行った。PHF11の過剰発現により(1)成熟B細胞のIgE産生が増加する。(2) IgEクラススイッチに必須であるgermline C epsilon の発現が増強する。(3)PHF11はNF-kB と強調してgermline C epsilon のプロモーター活性を調節する。(4) siRNAを用いてPHF11遺伝子をノックダウンした。その結果、IgE特異的に産生およびgermline C epsilon の発現が抑制された。(5)アレルギー性鼻炎モデルの検討により、PHF11トランスジェニックマウスは野生型マウスと比べてIgE抗体価が増加した。さらに、くしゃみや鼻掻きなどの鼻症状が有意に増加した。(6)抗原高親和性IgE抗体産生に対するPHF11の効果を検討するために、腹腔内感作後に脾臓から抗原特異的IgG1陽性B細胞を採取した。これらの細胞のIgGからIgEへのsequential class switchについて検討するために、in vitroにてIL-4および抗CD40抗体刺激による活性化B細胞について解析した。その結果、PHF11トランスジェニックマウス由来のB細胞は野生型と比べてIgE抗体の産生が亢進した、以上の結果は、PHF11がIgE抗体産生促進を介してアレルギー性疾患の病態に重要な役割を果たしていることを示しており、特にPHF11は抗原高親和性IgE抗体の産生促進に関与すると考えられた。PHF11の役割を明らかにすることによって、アレルギー性疾患の新規診断法や根治療法の開発へと道が拓かれると考えられる。
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