研究課題/領域番号 |
24591463
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
宮原 信明 岡山大学, 大学病院, 助教 (70335610)
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研究分担者 |
金廣 有彦 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20243503)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 特になし |
研究概要 |
RAGEがアレルギー性の気道反応に必須であるかどうかを直接証明するため、RAGEを全く発現しないRAGE knock out(RAGEKO) マウスを用い、抗原感作、吸入後に気管支肺胞洗浄液中(BAL)の細胞分類、およびサイトカインレベルを測定し、コントロールの野生型マウスと詳細に比較検討した。 野生型マウスに比べ、RAGEKOマウスは抗原感作、暴露後の気道の好酸球数および好中球数の低値を示した。また、BAL液中のIL-5,IL-13の濃度は、野生型マウスに比較し、RAGEKOマウスでは低値をしめした。肺組織中の好酸球数、PAS陽性細胞数も、RAGEKOマウスは、野生型マウスに比較して低値をしめした。 脾臓からのサイトカイン産生能の検討では、RAGEKOマウスの脾臓単核球からのIL-5,IL-13の産生は野生型マウスより低値をしめした。RAGEが欠損することにより、抗原の感作が不十分となることから、RAGEがTh2細胞の感作に重要な役割を担っていることが示唆された。以上よりRAGEがTh2への感作、そして好酸球性気道炎症に重要な役割をにになっていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RAGEKOマウスと野生型マウスを用いてアレルギー性気道炎症モデルを作成した。 RAGEKOマウスでは野生型マウスに比べてアレルギー性気道炎症の進展が減弱しており、両群間でのアレルギー性気道炎症の違いが明らかにでき、またそのメカニズムとしてTh2への感作にRAGEが重要な役割をになっていることがわかり、RAGEKOのアレルギー性気道炎症についての役割の概要を明らかにすることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
RAGEは血球系細胞、支持組織細胞の両方に発現していることが知られているが、どちらへの発現がアレルギー性気道炎症に関与しているかを、キメラマウスを用いて明らかにする。骨髄移植をおこない、RAGEを血球系のみ発現するマウス、支持組織のみ発現するマウス、両方に発現するマウス、両方ともに発現しないマウスを作成し、それぞれアレルギー性気道炎症を発症させて、違いをみる。 可溶性RAGEはデコイレセプターとしてRAGEを抑制する働きがあり、可溶性RAGE投与によりアレルギー性気道炎症の抑制が得られるかどうかを検証する。 HMGB1はRAGEの主要なリガンドであり、HMGB1を抗HMGB1抗体により抑制することで、アレルギー性気道炎症が抑制されるかどうかを検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品が安く購入できたため55176円の差額が生じた。この差額(繰越金55176円)を含めて、次年度、マウスの飼育、管理および購入費用、そしてマウス喘息モデル作成、評価のためのOVA抗原等各種試薬費、移植用の各種細胞培養樹立のための培養液等の試薬、研究成果の学会発表のための学会参加費用等に使用する。
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