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2013 年度 実施状況報告書

ヒブワクチン効果に影響するインフルエンザ菌莢膜遺伝子重複の細菌学的・疫学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24591476
研究機関東北大学

研究代表者

徳田 浩一  東北大学, 大学病院, 講師 (10518400)

研究分担者 西 順一郎  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40295241)
キーワード感染症
研究概要

平成23年以降に収集されたHib株を対象に、ワクチン接種後にHib髄膜炎を発症した患者(ワクチンフェーラー)との関連が報告されているcapb遺伝子重複の調査研究を行い、今後のヒブワクチン計画の策定に関して、国内外に有用な提言を行うことを目的としている。
2012年5月に報告された厚労省研究班の調査結果によると、平成20年12月のヒブワクチン導入により、5歳未満のHib髄膜炎は激減した。厚労研究班の調査報告では、全国10道県における5歳未満人口10万人当たりのHibによる侵襲性感染症の平均罹患率についは、Hibワクチン公費助成前の2008~2010年には7.7人であったが、2012年には0.6人(減少率92%)にまで減少した。鹿児島県におけるHib髄膜炎患者も同様に激減し、平成23年4件、平成24年1件で、いずれもワクチン未接種者であり、さらに平成25年度0件であった。
当初より調査研究に必要な髄膜炎由来Hib株の収集には比較的長期(2年以上)を要すると想定していたが、ヒブワクチン導入による効果発現(患者減少)が予想以上に早く、髄膜炎由来Hib株の収集が困難となっている。鹿児島県では従来よりHib髄膜炎患者の全数報告システムが運用されているが、さらに確実に患者を探知するために、メーリングリストなど様々なネットワーク上や集会の場で患者報告について度々依頼しており、県内発生の患者は全て把握できていると考えられるものの、収集できた株はわずかであった。
県内の医療機関のみからの髄膜炎由来Hib株の収集は困難と考えられるため、対象疾患を血液由来株を含む侵襲性インフルエンザ菌感染症に広げるとともに、全国に細菌検査センターを有する検査関連事業所(株式会社BML)に依頼し、約10株の菌株を追加収集した。次年度以降も全国株を継続的に収集し、解析予定としている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本邦における平成20年12月のヒブワクチン導入により、5歳未満のHib髄膜炎は激減した。厚労研究班の調査報告では、全国10道県における5歳未満人口10万人当たりのHibによる侵襲性感染症の平均罹患率についは、Hibワクチン公費助成前の2008~2010年には7.7人であったが、2012年には0.6人(減少率92%)にまで減少した。鹿児島県におけるHib髄膜炎患者も同様に激減し、平成23年4件、平成24年1件で、いずれもワクチン未接種者であり、さらに平成25年度0件であった。
当初より調査研究に十分な数のHib株の収集には2年以上の長期が必要と見込んでいたものの、ワクチン導入の効果発現(患者減少)が想定以上に早く、平成24年度にcapb遺伝子重複の分析を実施できたHib株は僅かであった。さらに多くのHib株を効率的に収集するために、鹿児島県で実施中の全数報告システムによるHib株の収集に加え、対象疾患を血液由来株を含む侵襲性インフルエンザ菌感染症に広げるとともに、全国に支社を有する検査関連事業所(株式会社BML)に依頼し、本事業所が約10か月間で全国で収集した全ての菌株(約10株)を譲り受けることができた。次年度以降も全国株を継続的に収集し、解析予定としている。

今後の研究の推進方策

これまでのところ、鹿児島県で発生したHib髄膜炎患者においてはワクチンフェーラーの患者はおらず、ワクチンフェーラーに関連するHib株の収集には、当初に予期された以上に長期を要すると思われる。
鹿児島県で実施中の全数報告システムによるHib株収集に加え、対象疾患を血液由来株を含む侵襲性インフルエンザ菌感染症に広げるとともに、全国に支社を有する検査関連企業に依頼して菌株を収集中であり、患者数は少ないものの、全国的な調査研究として進めてゆく。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は、平成24年度および平成25年度に計画していたcapb遺伝子重複の分析の一部を次年度に延期することによって生じたものである。
延期したcapb遺伝子重複の分析に必要な経費として平成26年度請求額と合わせて使用する予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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