研究概要 |
肺MAC症患者から分離された複数のMAC菌のVNTR遺伝子型を新たに調べたところ、異なる型をもつ多クローン感染者および複数菌感染では土壌、水などの環境暴露が有意に多いこと示した(Ann Am Thorac Soc. 2014;11:45-53.)。高頻度土壌暴露は、画像所見などと独立して治療後再発および排菌持続と再発を含む治療失敗に関連することを示した(BMC infect dis, in revision)。また、無治療でも排菌停止する患者と持続排菌する患者があり、高頻度土壌暴露が持続排菌と関連することを示した(ATS 2013 international conferenceで発表)。これらのことから、肺MAC症患者は発症後も環境から感染を繰り返しており、患者から分離されてくるMAC菌の中には無治療でも菌交代して検出されなくなる菌と治療後も持続感染する菌があることが判明した。病原性として菌の持つバイオフィルム形成能について着目し、バイオフィルムアッセイと関連遺伝子としてnrp, sucA, pcd, gtf, guaB2, ccsA, accA2, accD2. pks10, pmmB,ltp3について検索中である。
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