研究課題/領域番号 |
24591481
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研究機関 | 相模女子大学 |
研究代表者 |
奥村 裕司 相模女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70294725)
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研究分担者 |
二川 健 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20263824)
平坂 勝也 長崎大学, その他の研究科, 助教 (70432747)
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キーワード | 高病原性鳥インフルエンザウイルス / ウイルス活性化酵素 / 膜結合型プロテアーゼ |
研究概要 |
高病原性鳥インフルエンザウイルスが感染性を獲得するためには、弱毒株同様、宿主側のプロテアーゼによるウイルス外膜糖タンパク質(ヘマグルチニン:HA)の限定分解が必須である。高病原性である所以は、このHAのプロテアーゼ切断部位が、複数の連続した塩基性アミノ酸(RKKR↓、KKKR↓など)から構成されている点にある。また、高病原性鳥インフルエンザウイルス感染は全身性に広がることから、全身に発現し、特異的なHA切断部位配列を認識する宿主プロテアーゼの探索を進めた結果、新規ウイルス活性化酵素(MSPL/TMPRSS13)を発見した。本研究では、MSPL/TMPRSS13による高病原性鳥インフルエンザウイルス活性化機構の詳細を、1)MSPL/TMPRSS13安定発現細胞株を用いた培養細胞レベルでのウイルス感染実験、2)特異的阻害剤を用いた酵素活性の阻害とウイルス感染増殖様式の変化、3)MSPL/TMPRSS13ノックアウト(KO)マウスを用いた、個体レベルでのウイルス感染実験、4)特異的発現調節機構を応用した酵素活性の増減とウイルス感染増殖様式の変化から明らかにし、具体的なウイルス感染制御法を示す。昨年度は、培養細胞レベルでのウイルス感染実験およびKOマウスを用いたウイルス感染実験に取り組み、培養細胞レベルのみならず個体レベルでも、MSPL/TMPRSS13が高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染・増殖に関与することが照明された。本年度は、MSPLの特異的酵素阻害剤の探索にむけて、構造解析に取り組みこれに成功した(現在論文執筆中)。さらには、この構造を基盤とした合成ペプチド型の特異的酵素阻害剤の同定に近づきつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、MSPL/TMPRSS13による高病原性鳥インフルエンザウイルス活性化機構の詳細を、1)MSPL/TMPRSS13安定発現細胞株を用いた培養細胞レベルでのウイルス感染実験、2)特異的阻害剤を用いた酵素活性の阻害とウイルス感染増殖様式の変化、3)MSPL/TMPRSS13ノックアウトマウスを用いた、個体レベルでのウイルス感染実験、4)特異的発現調節機構を応用した酵素活性の増減とウイルス感染増殖様式の変化から明らかにし、具体的なウイルス感染制御法を示すことを達成目標としている。現段階で既に、1)および3)はおおむね目標を達成しており、2)においても構造解析の成功により、特異的阻害剤の同定にむけて順調に進んでいることから、「研究の目的」の達成度はおおむね順調であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
MSPLの構造を基盤とした特異的酵素阻害剤はまもなく同定できる予定である。よって、今後の研究の推進方策としては、この特異的阻害剤を用い、酵素活性の阻害とウイルス感染増殖様式の変化をMSPL/TMPRSS13安定発現細胞株ならびにMSPL/TMPRSS13ノックアウトマウスを用いて解析する。さらにその結果より、最終目標である具体的な高病原性鳥インフルエンザウイルス感染制御法を提案する。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していた酵素阻害実験に用いる阻害剤の納期遅れが判明したため、次年度に繰り越した。 特異的阻害剤同定のための酵素阻害実験、ならびにその効果を評価するための培養細胞実験で用いる。
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