研究課題
平成25 年度では、平成24年度から継続したプリオン感染によるIRF3 抑制機構の解明について検討を行った。レポーターアッセイにより、500bp以下のよりコアな領域(転写開始部位の上流119bp内)にマウスIRF3のプロモーター領域を同定した。この領域における特有の転写因子Oct-1についてプリオン感染時の影響についても検討した。Oct-1は、プリオン感染に影響を示す可能性を示唆した。この結果は、プリオン感染によるIRF3の発現抑制がOct-1に制御されているためでプリオン感染によってOct-1が抑制されている可能性を示唆するものである。次に、平成24年度にプリオン感染モデルでの自然免疫関連候補因子の挙動変化を検討したが、今年度ではIRF3の下流に位置する自然免疫関連候補因子をそれぞれ単独でプリオン持続関連細胞に導入した後の異常型プリオン蛋白質の発現を検討したところ、著名な変化は観察されなく、さらに複数の組み合わせを用いてプリオン感染細胞に導入後の検討を行ったが、同様の結果であった。しかしながら、興味深いことに、他の方法を使用した新規合成される異常型プリオン蛋白質に対する影響について検討したところ、一部のinterferon stimulated genes(ISGs)の因子については、抑制効果があることが確認された。さらに、上流に位置するI型インターフェロンとプリオン感染との関与を検討するため、IFNAR1遺伝子欠損マウスにプリオン感染させ、生存期間等を検討中である。本実験によって得られた新たな知見は、これまでにプリオン感染において関与を示唆する報告は無く、ISGsがプリオン感染に影響することが確認されたことより、その上流に位置するI型インターフェロンの発現およびその機能について今後詳細に検討していく予定である。
2: おおむね順調に進展している
交付申請書に記載している平成25年度の項目に沿った実験内容から、結果を得ており、予定通り実験が進行しているため。
現在のところ、おおむね順調に進展しているため、交付申請書に従って実験内容を検討していく予定である。
現在のところ、おおむね順調に進展しているため、交付申請書に従って実験内容を検討していく予定であるため、次年度の使用額が必要となる。多量の細胞培養用製品が必要となるため、主にこれらの研究用途に重点を置いて使用する予定である。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (8件) 備考 (1件)
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