研究課題
平成24-26年度でHIV-1 Subtype Non-B株のCD4 cavityに結合し、侵入を阻害するだけでなく立体構造変化を惹起する可能性の高い低分子化合物の設計、合成を行うことを主たる目的として研究を継続して行った。これまで数多くスクリーニングしてきたNBD骨格とは違うが、Envに結合し同様に侵入阻害および構造変化を起こす化合物の候補としてベツリン酸誘導体(BA誘導体)を試し、Subtype B同様、 C及びBCの感染阻害効果が認められるBA誘導体(IC9564)を確認できた。また、CD4を形成する4つのドメインのうちgp120と結合する1つのドメインのみを用いた蛋白(mD1.22)を得た。一方で、Subtype non-BのHIV-1株を臨床サンプルから分離する試みも進行させた。申請者らは、簡便にしかも確実にR5ウイルスを分離するために、CCR5高発現T細胞株であるPM1/CCR5細胞を用いてウイルス分離を行う方法を確立している。このウイルス分離の系を用いて、現在まで60以上のsubtype B及びnon-Bの臨床分離株を樹立してきた。今回新たに複数のSubtype non-BのHIV-1臨床分離株を樹立し、広い範囲の臨床分離ウイルスパネルの構築が完成しつつある。これらのパネルウイルスを用いて、合成した新規CD4 mimic低分子化合物や蛋白に対する感受性を比較検討し、より広範囲なSubtype non-B株に反応する化合物の選定を行うことが可能となった。
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