敗血症におけるCRTH2の役割を検討した。CRTH2ノックアウト(-/-)マウスは、敗血症において生存率が上昇し、腹腔内の細菌数は有意に減少した。CRTH2-/-マウスは、腹腔内のCXCR2陽性の好中球が増加した。好中球マーカーであるGr-1の抗体や、CXCR2抗体の投与実験の結果、CRTH2-/-マウスの保護的効果の機序にCXCR2陽性の好中球の腹腔内への集積が寄与していた。感染2時間後の末梢好中球のCXCR2プロモーター領域のヒストンH3のアセチル化は、野生型では低下するが、CRTH2-/-マウスでは低下せず、CXCR2の発現はエピジェネティック制御を受けることが示唆された。
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