研究課題/領域番号 |
24591491
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
松本 哲哉 東京医科大学, 医学部, 教授 (10256688)
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キーワード | バクテリアル・トランスロケーション / サルモネラ / 菌血症・敗血症 |
研究概要 |
バクテリアル・トランスロケーションは腸管内の菌が血行性あるいはリンパ行性に他の臓器に侵入する現象であり、免疫不全患者における菌血症や敗血症の原因として認識されるようになってきている。実際の患者においてこの現象を評価することは困難であり、マウスを用いた実験によってこれまで検討がなされてきた。ただし、より臨床に近い現象を反映させるために、バクテリアル・トランスロケーションが頻回に起こっている可能性が高い炎症性腸疾患について、さらにマウスモデルを用いた解析を深めることが重要と考えられた。そこで、本研究において評価の対象としてきたDSSによるマウス炎症性腸疾患モデルを用いて、病理学的な視点から解析を行った結果、消化管上皮の損傷がバクテリアル・トランスロケーションに影響することが示唆された。そこで次に消化管粘膜が健常状態の宿主で起こるバクテリアル・トランスロケーションの現象を突き止めるため、S. enterica serovar Typhimuriumを用いて、マウスに経口的に菌を接種し、バクテリアル・トランスロケーションを経て菌血症、敗血症となる致死的モデルの実験条件を確立した。さらに病態の解明に向けた検討を続けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
S. enterica serovar Typhimuriumの経口接種によるマウスモデルについては、実験条件も確立することができており、さらに生存率の変化に影響する要因も確認されてきている。
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今後の研究の推進方策 |
宿主側の要因として、各系統のマウスを用いた実験や、ノックアウトマウスを用いた検討、さらに菌の動態やサイトカインの検討を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究内容の一部を次年度に先送りしたため。 次年度の研究内容にて使用する予定。
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