インフルエンザウイルス心筋炎の機序は血管内皮機能障害であるという仮説がある。インフルエンザウイルスをマウスに接種し、インフルエンザウイルス心筋炎モデルを作成し、ノイラミニダーゼ阻害薬(ペラミビル) による効果をみた。組織学的に心外膜下及び血管周囲へのリンパ球浸潤と心筋細胞壊死を認め、心臓超音波検査にて収縮能低下を示し、ペラミビル投与により改善をみた。しかし心筋組織所見は軽度であり、心臓超音波検査にて急性期に明らかに心臓収縮能が低下することとは若干の乖離が見られた。治療群ではウイルスゲノム量の低下のみならず、各種炎症性サイトカイン、VCAM1の発現の低下がみられ仮説を支持する結果と考えられた。
|