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2012 年度 実施状況報告書

RAF1遺伝子変異におけるヌーナン症候群発症メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 24591498
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東北大学

研究代表者

小林 朋子  東北大学, 大学病院, 医員 (50436119)

研究分担者 松原 洋一  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00209602)
呉 繁夫  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10205221)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード先天奇形症候群 / 遺伝性疾患 / 遺伝子診断 / ヌーナン症候群 / RAF1遺伝子
研究概要

分子生物学的観点と臨床的観点からヌーナン症候群の発症メカニズムを明らかにすることを目的として、本年度は以下の研究を施行した。
1.臨床症状からヌーナン症候群またはヌーナン症候群関連疾患が疑われる患者の検体を全国から収集した。
2.収集した検体の遺伝子解析を施行した。18症例でRAF1遺伝子に変異を認めるヌーナン症候群であることが確定した。臨床症状からはヌーナン症候群関連疾患が疑われた症例の中に、当初予定していた直接シークエンス法では遺伝子変異が認められず、遺伝子解析法にマイクロアレイ染色体検査法を加えることによって、他の先天奇形症候群(Pallister-Killian症候群など)であることが確定した症例を認めた。
3.RAF1遺伝子変異陽性ヌーナン症候群患者では肥大型心筋症を高率に合併することの関連を明らかにするためにRAF1遺伝子機能解析を施行した。具体的には、ヌーナン症候群で認められるRAF1遺伝子変異はS257L変異が最多であり、この変異のタンパク発現プラスミドを作成し、心筋細胞株にRAF1変異遺伝子を導入した。野生型と変異型遺伝子導入細胞でのRAF1タンパク発現状態を比較検討した。
4.平成25年度の研究実施計画に記載した、RAF1遺伝子変異陽性ヌーナ症候群の臨床症状の詳細な検討を実施するための準備をした。具体的には、RAF1遺伝子変異型と表現型との相関を明らかにするために必要な肥大型心筋症以外の臨床症状項目を列挙するために文献検索を施行した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、RAF1遺伝子変異陽性ヌーナン症候群患者では肥大型心筋症を高率に合併することの関連を明らかにするためにRAF1遺伝子機能解析を中心的に施行した。具体的には、ヌーナン症候群で認められるRAF1遺伝子変異はS257L変異が最多であり、この変異のタンパク発現プラスミドを作成し、心筋細胞株にRAF1変異遺伝子を導入した。野生型と変異型遺伝子導入細胞でのRAF1タンパク発現状態を比較検討したが、結論づけられる様な結果が出ておらず、RAF1遺伝子機能解析に関しては手詰まりの状態である。

今後の研究の推進方策

1.臨床症状からヌーナン症候群が疑われる患者の検体を更に収集する。
2.RAF1遺伝子を中心とするヌーナン症候群に関連する遺伝子解析を継続する。
3.RAF1遺伝子に変異を認めるヌーナン症候群患者の臨床症状を詳細に検討し、長期的予後について解明する。
4.ヌーナン症候群を始めとする先天奇形症候群に対する遺伝子解析法を確率していく。

次年度の研究費の使用計画

1.ヌーナン症候群が疑われる患者の検体収集のための通信費、全国集会参加費
2.RAF1遺伝子変異陽性ヌーナン症候群患者の臨床症状収集のための交通費、通信費
3.直接シークエンス法、マイクロアレイ染色体検査法、次世代DNAシークエンシング法を用いた遺伝子解析を施行するための物品費
4.過去の報告例の文献収集費と論文作成関連費
次年度使用額は、臨床症状からヌーナン症候群が疑われる患者検体の遺伝子解析法を当初計画していた直接シークエンス法に加えて、マイクロアレイ染色体検査法や次世代DNAシークエンシング法まで導入する事となったために生じたものであり、次年度以降に実施する次世代DNAシークエンシング法の導入に必要な経費として、平成25年度請求額と合わせて使用する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Utility of Thallium-201 Scintigraphy in Tolosa-Hunt Syndrome.2013

    • 著者名/発表者名
      Yosuke Kakisaka
    • 雑誌名

      Tohoku J. Exp. Med.

      巻: 229 ページ: 83-86

    • DOI

      10.1620/tjem.229.83

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Parental satisfaction and seizure outcome after corpus callosotomy in patients with infantile or early childhood onset epilepsy.2013

    • 著者名/発表者名
      Masaki Iwasaki
    • 雑誌名

      Seizure.

      巻: 22 ページ: 303-305

    • DOI

      10.1016/j.seizure.2013.01.005.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Hallucinations associated with cerebrospinal fluid leakage after a lumbar puncture.2012

    • 著者名/発表者名
      Yosuke Kakisaka
    • 雑誌名

      Br J Anaesth.

      巻: 109 ページ: 465-466

    • DOI

      10.1093/bja/aes290.

    • 査読あり
  • [学会発表] 末梢血マイクロアレイ染色体検査で診断できたPallister-Killian症候群の1例2012

    • 著者名/発表者名
      小林朋子
    • 学会等名
      日本人類遺伝学会第57回大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20121024-20121027
  • [学会発表] 結節性硬化症に伴った難治性てんかんに対するビガバトリンの効果2012

    • 著者名/発表者名
      小林朋子
    • 学会等名
      第46回日本てんかん学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20121011-20121012

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公開日: 2014-07-24  

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