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2013 年度 実施状況報告書

ジペプチジルペプチダーゼ4活性からみた小児糖尿病の病態および治療に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24591501
研究機関筑波大学

研究代表者

鴨田 知博  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50224704)

キーワードジペプチジルペプチダーゼ4 / 1型糖尿病 / 2型糖尿病
研究概要

【背景】DPP(Dipeptidyl-peptidase)4はリンパ球表面抗原CD26と同一であり、T細胞の活性化に関わることから1型糖尿病における自己免疫の形成に関与する。DPP4阻害剤は2型糖尿病に用いられる他に、1型糖尿病に使用して膵島破壊の抑制による治療が模索されているが、小児1型糖尿病におけるDPP4活性の動態については検討されていない。1型糖尿病小児において発症初期と遠隔期での血清DPP4活性を比較検討する。
【対象】新規に発症した1型糖尿病患児24例(発症初期:年齢9.2±3.8歳、男:女=14:10)と発症後1年以上経過し、糖尿病サマーキャンプに参加した52例(遠隔期:平均罹病期間4.0年、年齢10.2±2.1歳、男:女=26:26)。
【方法】早朝空腹時に採取され-20℃で保存された血清を用いて、Merck社の測定キット(酵素基質法)でDPP4活性を測定し、両者の間で比較した。新規発症例ではDPP4活性とGAD抗体・年齢・性別との相関をそれぞれ検討した。
【結果】DPP4活性は発症初期では7.50±2.45ng/ml、遠隔期では11.0±3.13ng/ml で、発症初期において有意に低値だった(p<0.001)。発症初期症例のうち、GAD抗体陽性例で平均7.46ng/ml、陰性例で7.64ng/mlと有意な差はなかった。性別、年齢についても有意な相関はなかった。
【考察】発症初期のDPP4活性が低値であった原因として、急性期の免疫応答はリンパ球表面のCD26に強く現れ末梢血中の遊離DPP4には影響しないこと、急性期の炎症でDPP4が消費されていることなどが考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1型糖尿病において例数は十分とはいえないものの血中DPP4活性について測定することができ、1型糖尿病の発症期と遠隔期とのDPP4活性を比較検討することができた。

今後の研究の推進方策

1型糖尿病の病期とDPP4活性との関係を検討した結果、発症期のDPP4活性が低下していたが、過去の1型糖尿病での報告では一定していない。今後、発症初期の免疫異常の検討には細胞表面CD26抗原および1型糖尿病の免疫に関与すると言われる制御性T細胞発現も含めた評価が必要と考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Serum dipeptidyl peptidase 4 activity in children with type 1 diabetes mellitus2013

    • 著者名/発表者名
      Iwabuchi A, Kamoda T, Saito M, Nozue H, Izumi I, Hirano T, Sumazaki R
    • 雑誌名

      J Pediatr Endocr Met

      巻: 26 ページ: 1093~1097

    • DOI

      10.1515/jpem-2013-0122

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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