研究課題/領域番号 |
24591505
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
深尾 敏幸 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70260578)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ケトン体代謝 / 先天代謝異常症 / スプライシング / 遺伝子異常 / 遺伝子発現調節 / OXCT1 / ChiPアッセイ |
研究概要 |
申請者らはこれまで、ケトン体代謝とその異常症の研究をすすめてきた。本研究の目的は、これまで研究を進める中で得られた課題である。 1.ミスセンス変異のRNAプロセッシングへの影響の解析などの変異の特徴を明らかにする T2遺伝子においてエクソン10上の遺伝子変異についてmini-gene constructを作成してSplicing実験:エクソン10上のc.949G>A(D317N)がexonic splicing enhancer上の変異でアミノ酸置換よりエクソン10スキップをきたすことを明らかにしできた(論文準備中)SCOT遺伝子においては、イントロン12のスプライスドナー部位の変異でエクソン12と13が同時にスキップすることをスプライシングオーダーの解析から明らかにしてHum Mutatに報告した. 2.SCOT遺伝子の遺伝子発現調節機構:マウス肝臓、腎臓を材料にしたRNA polymerase II抗体によるChiPアッセイ:マウス肝臓ではSCOT蛋白の発現はなく、心臓、腎臓では強発現しておりこの3臓器についてRNApolyIIによるChiPアッセイを行い、肝臓で転写の低下している結果を得ているが、反復して確認する必要がある.OXCT1(SCOT)遺伝子の5’flanking領域の多動物種比較解析:現在GenBankからヒト、赤毛ザル、犬、マウス、ラットの開始メチオニンコドンから10,000塩基上流から10,000塩基下流までの20Kbの配列を入手した。SCOTが肝臓で発現しないことは、これらすべての動物種で共通であり。それを調節する領域があれば、保存されているはずである。バイオインフォーマティクスの面からアプローチを試みている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的および計画1のミスセンス変異のRNAプロセッシングへの影響の解析などの変異の特徴を明らかにすることについては目標通りで、現在論文執筆を計画している. 目的および計画2のSCOT遺伝子の遺伝子発現調節機構の研究については、ラットの代わりにマウスの肝臓、心臓、腎臓のDNAを用いたRNA polymerase II抗体によるChiPアッセイを行い、一定の結果の傾向はみられており、Real Time PCRの不具合があり後半実験が停滞した.また多動物種によるプロモーター領域の比較検討は、複雑であり、解析の限界があることがわかった.これらの点を来年度克服すべく取り組む.
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今後の研究の推進方策 |
1.ミスセンス変異のRNAプロセッシングへの影響の解析などの変異の特徴を明らかにする T2遺伝子エクソン10上の遺伝子変異についてmini-gene constructを作成してSplicing実験.これをさらに他の症例で得られたA328V, A333P変異を増やして解析する. 2.SCOT遺伝子の遺伝子発現調節機構 1) マウス肝臓、心臓、腎臓を材料にしたRNA polymerase II抗体によるChiPアッセイを反復し結果を確実にする.そして発現のオン、オフの判定を行う。2) 転写後Silencingの可能性の解析。A)肝臓特異的Alternative transcriptの産生が生じてpremature terminationをきたし、nonsense-mediated mRNA decay (NMD)で検出できなくなる場合:NMDを抑制するcycloheximideなどを投与した上で、エクソン1,2などを含むaberrant mRNAを検出する。B) microRNAによるmRNA 不安定化の可能性の解析:こちらは3’UTRを組み込んだベクター作成して肝臓由来細胞と腎由来細胞でルシフェラーゼアッセイを行い、肝臓由来細胞で3’UTR導入特異的に発現低下があるか確認する。 3) OXCT1(SCOT)遺伝子の5’flanking領域の多動物種比較解析:現在GenBankからヒト、赤毛ザル、犬、マウス、ラットの開始メチオニンコドンから10,000塩基上流から10,000塩基下流までの20Kbの配列を入手した。SCOTが肝臓で発現しないことは、これらすべての動物種で共通であり。それを調節する領域があれば、保存されているはずである。バイオインフォーマティクスの専門家との共同研究という方向からアプローチする.
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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