研究課題
申請者らはこれまで、ケトン体代謝とその異常症の研究をすすめてきた。本研究の目的は、これまで研究を進める中で得られた課題である1)ミスセンス変異のRNAプロセッシングへの影響を明らかにすること 2)SCOT遺伝子の遺伝子発現調節機構について解析し、特にSCOT遺伝子が肝臓特異的に発現抑制を受けるメカニズムについて明らかにすることである。ヒトおよびマウスのSCOT遺伝子の3’非翻訳領域をルシフェラーゼcDNAの3’非翻訳領域として組み込んだ発現ベクターを作成し、これをHepG2細胞(肝臓の特徴を保持)と肝外組織としてHeLa細胞に発現させた。その結果3’非翻訳領域を組み込んだベクターでは組み込まないベクターと比較してルシフェラーゼ活性が抑制されたが、この現象はHepG2細胞とHeLa細胞で同様に認められ、肝臓特異的発現抑制とは関連しないことが明らかになった。これはmiRNAによる発現調節の可能性が低いことを意味すると考えられた。次にマウスの心筋、肝臓を用いたChiPアッセイを行った。RNA polymerase 2(RNApol)の抗体を用いると心筋に比べ肝臓において明らかにRNApol特異的なSCOT上流域断片の沈降は少なく、肝臓においてはRNA転写が抑制されていることが明らかとなった。現在抗アセチルヒストンH3(lys9)抗体、抗トリメチルヒストンH3(Lys27)抗体を用いた抗体沈降を行い、肝臓においてSCOT上流域のヒストンのメチル化が優位であり、エピジェネテックに発現が抑制されていることが示唆された。以上の結果から、SCOT遺伝子における肝臓特異的発現抑制は、転写抑制によることが再確認でき、上流域のさらに詳細な解析が必要であると考えられ、Bioinformaticsによる解析が重要であると考えられる。
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