研究課題/領域番号 |
24591514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
板倉 光夫 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 非常勤講師 (60134227)
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研究分担者 |
井上 寛 徳島大学, 疾患プロテオゲノム研究センター, 学術研究員 (20294639)
山下 裕紀子 徳島大学, 疾患プロテオゲノム研究センター, 技術補佐員 (40532502)
吉本 勝彦 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90201863)
親泊 政一 徳島大学, 疾患プロテオゲノム研究センター, 教授 (90502534)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 低身長症 / 遺伝子変異 / グレリン受容体遺伝子 / GH放出ホルモン受容体遺伝子 |
研究概要 |
今年度は研究課題I「小児低身長症候補遺伝子のディープシークエンス解析」および研究課題II「日本人小児低身長症におけるSHOX遺伝子微小欠失の検討」において、特に発端者DNAを用いた一次スクリーニングに相当するアッセイ(DNAシークエンス法とMLPA法)を中心に実施した。 1.DNAシークエンス解析 保有している127家系由来の計304名のゲノムDNAの内、これまでにシークエンス解析が完了している12個の遺伝子に加えて、さらに10個の候補遺伝子を抽出し、追加解析を開始した。追加遺伝子としては、これまでヒトあるいは動物モデルで低身長症との関連が報告された、下垂体GH産生および分泌、GHRシグナル関連、また骨・軟骨形成に関わる重要な分子をコードするものを考慮した。遺伝子変異を同定した患者において、小児科主治医と連携しながら臨床症状、特に身長を含めた身体的形成、低発症、GH分泌能やrhGH治療への反応性などの内分泌データなどについて詳細な情報収集を行い、遺伝子あるいは変異に特徴的な表現型の有無を検討した。 II.MLPA法によるSHOX遺伝子微小欠損の検討 SHOXはTurner症候群の低身長表現型に関与し、ヘテロ機能喪失型遺伝子変異(半量不全)がLeri-Weill型軟骨骨異形成症また特発性低身長症(ISS)で、ホモ機能喪失変異(完全不全)がLanger 型中肢骨短縮症で報告されている。日本人低身長症におけるSHOX遺伝子異常の正確な頻度はまだ報告されておらず、また疾患、人種により異なる遺伝子異常が検出されることが期待されるので、本研究ではまず申請者等が保有する日本人小児低身長症の127家系の発端者において、SHOX遺伝子エンハンサー領域の構造解析、微小欠失同定をMLPA法にて実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請者は、日本人低身長症127家系由来の計304名のゲノムDNAを保有しており、これまでに計12個の成長関連候補遺伝子のシークエンス解析が完了しており、下垂体GH産生および分泌、GHRシグナル関連、また骨・軟骨形成に関わる重要な分子をコードする10個の候補遺伝子を抽出し、追加解析した。解析予定の10遺伝子の内、約半数がすでに終了している。 遺伝子変異を同定した患者において、小児科主治医と連携しながら臨床症状、特に身長を含めた身体的形質、併発症、GH分泌能やrhGH治療への反応性などの内分泌関連データなどについて、詳細な情報収集を行った。
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今後の研究の推進方策 |
2次解析として、前年度のディープシークエンス解析によって得られた遺伝子変異の機能解析を実施する。同定した変異の多くは、患者あるいは一般集団で非常に稀な(低頻度の)変異であると予想される。そのため、遺伝学的なアプローチ(関連解析や家系内調査)だけで、変異を病因か稀な多型かを断定することは困難であり、変異による生化学的な影響を確認することが極めて重要である。一方で、変異スクリーニングに選択した遺伝子は様々な構造・機能を有する蛋白をコードしており、また変異種類(プロモーター変異、イントロン変異、コーディング変異)も多岐にわたるので、実際に必要となる実験系を検討しながら機能解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は、主に研究を遂行するための必要な研究試薬にあてる計画である。 次年度への繰越額は研究打ち合わせの為の旅費および研究試薬に使用する予定である。
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