研究課題
本研究は、小児期の栄養状態(問題)と脂肪組織・細胞の代謝変動との関連性を検討するものであり、基礎的研究と臨床的研究の両面からアプローチしている。研究計画にも示したように複数のプロジェクトを行い、成績を積み重ねている。そのいくつかは既に成果を発表できた。基礎的研究として行ってきた3T3-L1培養脂肪細胞を用いた酸化・一酸化ストレスによるアディポサイトカインの分泌変動とその制御に関する研究については、本年度はそのまとめを行ってきた。学会発表も行い、論文投稿できる状態となっている。臨床的研究としては、早産児や低出生体重児において、種々の要因と血清アディポサイトカイン、特に高分子型アディポネクチンのレベルについて継続して検討してきたが、本年は内臓脂肪量との関連性で論文発表を行った。これはDOHaD説にも関わるデータと考えている。さらに肥満学童においてはbrain-derived neurotrophic factorレベルについて検討し論文化した。また、肥満とともに生活習慣病の1つ柱とも言える脂質異常症についてもこれまでどおり検討してきた。超音波法を用いた動脈硬化に関連する新しい検査法について発表した。また、小児のnon-HDL-Cレベルについても検討し、報告した。さらに特殊な糖尿病(MODY3)におけるインクレチン関連薬(DPP4阻害薬)の効果と貧血時の血糖判定の注意点について学会発表を行い、広く注意喚起ができた。これについても論文を執筆している。本研究費をとおして複数の研究成果が上げられた。これらは、小児生活習慣病発症に関連する価値あるデータと考えている。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 4件)
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