研究課題/領域番号 |
24591527
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
小林 博司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (90266619)
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研究分担者 |
嶋田 洋太 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (20560824)
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キーワード | zinc finger / 遺伝子治療 / Krabbe病 |
研究概要 |
従来遺伝子治療の標準的な方法であったウイルスベクターによる遺伝子導入法とは別に近年注目されている相同組換えによる遺伝子治療(遺伝子編集)を目的として、今回zinc fingerを用いた一塩基置換の改善を計画した。この方法は想定した遺伝子座位の特異的な組換えを可能にするものでランダムインテグレーションされるウイルスベクターと比べて安全性が高いとされている。また疾患モデルとしてKrabbe病を設定した。この疾患はライソゾーム酵素であるGALC(βgalactocerebrosidase) の遺伝子異常による機能異常により細胞内に基質のリゾ体であるサイコシンが蓄積し、主に進行性の脱髄による神経症状が現れる疾患である。 今回モデルマウスであるTwitcher mouse のシュワン細胞由来の細胞株336T/Tに対してドナープラスミドをデザインし、zinc finger nuclease、ドナープラスミド、標的細胞(336T/T)を用いてNucleofecta (electropolation)によるコトランスフェクションを施行した。 この結果、非導入細胞(コントロール)と比較して有意な酵素活性(欠損酵素GALC)の上昇、蓄積物質(サイコシン)の低下を in vitro で確認した。 またダイレクトシークエンスによる塩基配列解析では目的とする遺伝子の相同組換えによる一塩基置換の正常化が確認された。 これらの成果は今年度の日本遺伝子治療学会で発表される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では昨年度までにin vivoとしてZinc Finger方法を用いた骨髄細胞への移植実験を計画していたが、予想以上に遺伝子導入効率が低く、現在in vtiroの成果をまとめ・評価し、更にipsなどの幹細胞への導入を検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は現在施行しているKrabbe病由来のiPS細胞への導入評価をまとめ、更に次世代シークエンサーなどを用いた部位特異的遺伝子改変の検証が主体になる。 当初計画していた動物実験は遺伝子導入効率を評価したうえで再計画する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初予定していた動物実験が開始されておらず、また次世代シークエンサー解析費用もまだ使用実施していないため。 上記とくに次世代シークエンサー解析費用中心に使用する。
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