研究実績の概要 |
準備段階としてKrabbe病モデルマウス遺伝子の遺伝情報(シークエンス)から疾患の原因となる点変異(12番染色体エクソン10)を相同組換えにより特異的に改善するためのdonor plasmid(DP)をデザインし調整、更に相応するZinc Finger Nuclease(ZFN)を計画通りSigma社に外注した。 まずKrabbe病モデルマウスのシュワン細胞由来の細胞株に対し Nucleofecta(エレクトロポレーション装置)を用いてZFN,DPをコトランスフェクションし ZFNによる相同組換え状況を検討した。 その結果シークエンス解析によりターゲットとした点変異の正常化が見られ Krabbe病の欠損酵素であるGALCの酵素活性が元の細胞と比較して導入細胞で有意に上昇(p=0.0208)、同時に蓄積物質サイコシンの低下が見られた。この結果は培養を持続しある程度継代しても維持された。 次にZFNにより相同組換えされた細胞をセレクションするためにGFP(green fluorescent protein)とGALCおよびピューロマイシン耐性遺伝子を同時発現する新たなDPをデザインし同様に導入したところ、GFP陽性細胞が見られ、陰性細胞を抗生物質で排除し選択的に培養を継続している。 更にTwitcher mouse由来のiPS細胞を樹立し 同様の手法でZFNによる相同組換えおよび選択的培養を試みている。
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