研究課題/領域番号 |
24591529
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
三宅 紀子 日本医科大学, 医学部, その他 (00421206)
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研究分担者 |
三宅 弘一 日本医科大学, 医学部, 准教授 (90267211)
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キーワード | 異染性白質ジストロフィー / 新生児治療 / AAV vector / 遺伝子治療 |
研究概要 |
本研究では脳全体の広範な神経変性を伴う、MLDをモデルとして、①新生児期の治療法の確立、及びBBBを効率よく通過するための画期的な方法による②成体の神経症状の新規治療法の確立を行っていくとともに、臨床応用を念頭に安全性の検討も行い、臨床プロトコールの作製を行う。 1. 新生児期治療法の確立:ASA発現治療用AAVベクター(9型)を新生児期のMLD病のモデルマウスに静脈内投与し、脳神経組織への導入効率、ASA発現効率を解析すると共に、蓄積物質であるスルファチドの定量、行動実験などにて治療効果判定を行う。 2. 成体の神経症状の新規治療法の確立:治療用AAVベクターの改良(BBBを通過可能な血清型、scAAV)及び治療タンパクの改変(ASA-Tatキメラ蛋白質の作製)を行い、脳神経組織治療に最良のベクターの選択を行う。そのベクターを用いて成体MLD病のモデルマウスに静脈内投与、髄腔内投与にて治療効果判定を行っていく。 また、これらの治療モデルマウスを長期に観察し、副作用の検討も行い、これらの結果を基に臨床応用を目的としたプロトコールを作製する。 当該年度に実施した内容は、治療用self-complementary AAV (scAAV)ベクターを作製し成体のMLDマウスに静脈注射を行い、治療効果の判定を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
成体の神経症状の新規治療法の確立 当該年度は、治療用self-complementary AAV (scAAV)ベクターを作製、成体のMLDマウスに静脈注射を行い、治療効果の判定を行った。第一段階として、行動実験による治療効果の判定を行ったが、未治療群に比べ優位に改善効果を認められた。
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今後の研究の推進方策 |
前年度から長期観察をしている新生児期治療の毒性試験の解析を行う。また成体マウスへ治療し行動実験にて効果を認められたマウスの解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
見積もり安い金額で納品されたため差額が生じた。 次年度に使用したい。
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