研究課題/領域番号 |
24591531
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
松石 豊次郎 久留米大学, 医学部, 教授 (60157237)
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研究分担者 |
山下 裕史朗 久留米大学, 医学部, 准教授 (90211630)
高橋 知之 久留米大学, 医学部, 准教授 (20332687)
西 芳寛 久留米大学, 医学部, 講師 (20352122)
御船 弘治 久留米大学, 医学部, 准教授 (70174117)
松本 直通 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80325638)
江良 択実 熊本大学, 学内共同利用施設等, 教授 (00273706)
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キーワード | レット症候群 / MeCP2 / モデルマウス / ES細胞 / ghrelin / IGF-1 / QT延長 / イオンチャンネル |
研究概要 |
ヒトのレット症候群の成長に関する研究、およびモデルマウスおよびMeCP2欠損ES細胞を用いた基礎研究を行っている。1.レット症候群(RTT)における血中GH、IGF-1、ghrelinと成長との関連:RTTは成長障害や、てんかん、知的障害がみられる小児発達障害である。原因として、ghrelin/GH/IGF-1軸の関与を推定し、MeCP2遺伝子変異を有するてんかんとRTT女児22例と、てんかんと知的障害の女児14例の間で、血中GH, IGF-1, ghrelinと身体測定値(身長、体重、BMI、頭囲)の関連性を検討した。BMIと身長はRTT群の方が低かった。頭囲は両群ともに血中ghrelin濃度と正相関、血中IGF-1濃度と逆相関であった。レット症候群ではGhrelin/GH/IGF-1軸の機能不全があることがわかった。 2. レット症候群モデルマウス、MeCP2欠損ES細胞における心筋細胞分化に関する検討: RTT患者では突然死の頻度が高い事が知られ健常者の300倍程度のリスクがあると予測されている。心電図でQT延長を呈することが2-3割の患者で知られている。RTTのhemiモデルマウスの6週齢、8週齢で心電図を測定し、QT延長、RR、PQ、QRS短縮がわかった。心臓の形態的な異常は認められなかったが、心筋の構造や機能を支える骨格蛋白や分泌ペプチド、不整脈に関連するイオンチャネルの遺伝子発現を解析し、一部でWild typeと有意な相違が認められた。胚様体を介した心筋分化実験では、MeCP2欠損により心筋細胞の分化が促進され、MeCP2がES細胞の心筋分化に関わる可能性が明らかとなった。MeCP2欠損ES細胞では、心筋前駆細胞は高率に出現するものの、その心筋前駆細胞では、分化初期の心筋に発現する遺伝子群の発現が低く、不完全な心筋前駆細胞である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本で最初に結成されたレット症候群の親の会の協力も得られ、約65家計をフォローアップ中である。モデル動物を用いた研究は7年前から開始し、実験の維持のための人材、研究環境は整備されている。UKのAdrian Bird先生のグループからおよびMeCP2欠損ES細胞を供与いただき、更に学内での共同研究体制も整備されているため、予定通り研究は進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
レット症候群での治療戦略として、Prekiminaryの段階ではあるが、学内倫理委員会を通してヒトRTTでghrelinの静脈投与を行い、睡眠、神経症状の改善を数名で確認している。 また、京都大学iPS研究所と共同研究でRTTのiPS細胞を樹立し、実験に用いる予定である。今後、第i相、第2相試験と発展させ、トランスレーショナルリサーチを目指す。 モデルマウスおよびMeCP2欠損ES細胞を用いた基礎研究では、ghrelinn、その他の薬剤を用いて、治療法開発の糸口を探す。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していた消耗品費と実際の金額の差額が生じ、余剰金が発生した。 平成26年度で研究成果発表の為、参加する学会の予定が増えたのでその旅費として使用する予定である。
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