研究課題/領域番号 |
24591537
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(静岡・てんかん神経医療センター臨床研究部) |
研究代表者 |
高橋 幸利 独立行政法人国立病院機構(静岡・てんかん神経医療センター臨床研究部), その他部局等, その他 (70262764)
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キーワード | GluN2B / 自己抗体 / IgGサブクラス抗体 / Fas / FasL / GranzymeB |
研究概要 |
①GluR抗体産生刺激となるGluR自己抗原の由来の解明:NHALE先行症状期の血液検査で、GluRの発現するリンパ球、血小板が減少していることを見出し、リンパ球、血小板の破壊でGluR抗原が供給されている可能性が分かった。 ②GluR断片化メカニズムの解明:NHALE30例、疾病対照34例の髄液Fas、FasLの測定を行い、検討中である。 ④GluR抗体(GluN2B (epsilon2)、GluN1(zeta1))のIgGサブクラス別定量法の開発:GluN2B-NT2抗体のIgGサブクラス別のELISA定量法を、Human IgG Subclass Screening Kit (フナコシ、#IM50)を用いて測定する系を開発中できた。非傍腫瘍性NHALE髄液では、IgG1-4すべてのサブクラスが疾病対照髄液に比べて高値であった。脳炎発病後の経過で見ると、発病から10-15病日にかけてIgG1、IgG3のサブクラスが高値となる検体が増加、IgG4サブクラスは徐々に低値の検体が増加した。IgG1サブクラスは、急性期入院日数・てんかん発作予後・認知機能予後と直線的回帰が認められ、相関関係が認められた。IgG3サブクラスは、Barthel score・てんかん発作予後・認知機能予後・運動機能予後と直線的回帰が認められ、相関した。サブクラスと関係する補体が予後を規定している可能性がある。 ⑤GluR抗体のIgGサブクラス別に、内在化作用、補体依存性細胞傷害作用等を検討する:iC3b、C5a、CD59の髄液での測定を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の計画の中のIgGサブクラス別定量法の開発では、GluN2B-NT2抗体について測定法を確立し、NHALEの予後とIgG3サブクラスなどが関係することを明らかにできた。IgGサブクラス別に、補体依存性細胞傷害作用等を検討するために、補体の測定を開始できている。
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今後の研究の推進方策 |
①抗GluR抗体産生刺激となるGluR自己抗原の由来の解明:今後データを増やしたのち論文化を進める予定である。 ②GluR断片化メカニズムの解明:Fasについて検討する。 ③制御性T細胞(T reg)機能の検討:今後データの増加を待って解析を進める予定である。 ④GluR抗体(抗GluR epsilon2(NR2B)、抗GluR zeta1(NR1)抗体)のIgGサブクラス別定量法の開発:GluN2B-Nt2抗体に続いて、GluN1-NT抗体のIgGサブクラス別のELISA定量法を、Human IgG Subclass Screening Kit (フナコシ、#IM50)を用いて測定する系を現在NR2Bで開発中する。 ⑤GluR抗体(抗GluR epsilon2(NR2B)、抗GluR zeta1(NR1)抗体)のIgGサブクラス別に、内在化作用、補体依存性細胞傷害作用等を検討する:髄液中の活性化補体の測定データと、IgGサブクラス抗体の値の関連を検討する。
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