非ヘルペス性急性辺縁系脳炎は、神経の機能において重要な分子であるNMDA型グルタミン酸受容体に対する抗体が関係して起こる脳炎である。これまで、どのようにしてNMDA型グルタミン酸受容体に対する抗体が作られるのかが明らかではなかった。我々はこの研究で、抗体ができるもととなる抗原が血液中や髄液中のリンパ球や血小板に由来するNMDA型グルタミン酸受容体であることを突き止めた。NMDA型グルタミン酸受容体の中のGluN2Bに対する抗体について、IgGの中のIgG1-4のサブクラス別に定量する方法を考案した。IgGの中でもIgG3が特にてんかん発作・認知機能障害・運動機能障害などの後遺症と関係していた。
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