GVHDでは炎症反応および酸化ストレスの進行に伴い、赤血球連銭形成の亢進、band3の減少、PRDX2のダイマー化、PRDX2の断片化が径時的に認められた。ネフローゼ症候群、慢性活動性EBV感染症や敗血症では赤血球連銭形成亢進以外は認められず、移植後GVHDでは慢性的に強い炎症・酸化ストレスが起きていると考えられた。ヒトの造血幹細胞移植では、早期の凝固異常が合併症関連死亡に関係し、トロンボモジュリンの投与により予後が改善した。マウスモデル系でトロンボモジュリンが慢性GVHDの皮膚病変を改善することが示された。以上より、GVHDでは凝固異常・炎症・酸化ストレスは密接に関連していることが示された。
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