研究課題/領域番号 |
24591545
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
近藤 直実 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (50124714)
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研究分担者 |
加藤 善一郎 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90303502)
松井 永子 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (90334929)
木村 豪 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (60422705)
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キーワード | 体内時計遺伝子 / アレルギー関連遺伝子 / アレルギー発症 / 喘息 / 調節性T細胞 / 環境因子 / テーラーメイド医療 |
研究概要 |
本研究の目的は、アレルギー発症増悪に関するアレルギー免疫系遺伝子および体内時計遺伝子と環境の相互関係の遺伝子分子レベルでの解明と、アレルギーのテーラーメイド医療を含む治療法を確立する。平成25年度には以下の成果が得られた。 1.アレルギー発症増悪に関するアレルギー免疫系遺伝子の環境因子との関連において、喘息などアレルギー発症と関連する遺伝子として、IL12B C3757T、IL4RαVal50lle、IL13 Arg110Gln、TGFβ1 T-509C、IFN-γR1 L467P、LTC4S A-444C、IL-18 C-133G、CD14 T-159C、ADRβ2 Arg16Gly、TLR 1・6・10などあげられた。 2.上記の成果の一部を応用して、喘息に対するテーラーメイド医療の確立をすすめた。すなわち、LTC4S A-444C などの遺伝子型に対応した抗喘息薬の有効性の検証がすすめられている。 3.βラクトグロブリンに過敏性のある患者から樹立したT細胞クローンを用いた検討から、一定のHLA抗原型を有する患者では、βラクトグロブリンのアミノ酸97-117の配列の中にT細胞エピトープが存在することが分かったので、これを応用して作成した種々の改変ペプチドを用いて、食物(牛乳)アレルギーに対するテーラーメイド医療の確立の一端に寄与した。 4.体内時計遺伝子の発現実験を進めた。カイコの発現系を用いた時計遺伝子蛋白の発現について、まず、時計遺伝子(BMAL,CLOCK,CRY1)発現ベクターの構築を行った。PCR反応で増幅した断片を精製し、pFastBac1にサブクローニングし、シークエンサーを用いてDNA配列を確認した。本研究についてはさらに次年度にすすめる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画のように、1.アレルギー発症増悪に関するアレルギー免疫系遺伝子の環境因子との関連において、喘息などアレルギー発症と関連する遺伝子として、LTC4S A-444C、ADRβ2 Arg16Gly、などがあげられた。 2.上記の成果の一部を応用して、喘息に対するテーラーメイド医療の確立をすすめた。 3.T細胞エピトープを視野に入れて作成した種々の改変ペプチドを用いて、食物(牛乳)アレルギーに対するテーラーメイド医療の確立の一端に寄与した。 4.体内時計遺伝子の発現実験を進めた。カイコの発現系を用いた時計遺伝子蛋白の発現について、まず、時計遺伝子(BMAL,CLOCK,CRY1)発現ベクターの構築を行った。PCR反応で増幅した断片を精製し、pFastBac1にサブクローニングし、シークエンサーを用いてDNA配列を確認した。 以上より、アレルギー発症増悪に関するアレルギー免疫系遺伝子および体内時計遺伝子と環境の相互関係の遺伝子分子レベルでの解明と、アレルギーのテーラーメイド医療を含む治療法の確立に寄与できた。本研究についてはさらに次年度にすすめる。
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今後の研究の推進方策 |
上記の成績を受けて、今後の研究の推進などとして、 1.アレルギー発症増悪に関するアレルギー免疫系遺伝子の環境因子との関連において、喘息などアレルギー発症と関連する遺伝子として、IL12B C3757T、IL4RαVal50lle、IL13 Arg110Gln、TGFβ1 T-509C、IFN-γR1 L467P、LTC4S A-444C、IL-18 C-133G、CD14 T-159C、ADRβ2 Arg16Gly、TLR 1・6・10などあげられたので、さらに、この成果を応用して、喘息、アレルギーに対するテーラーメイド医療の確立をすすめる。 2.カイコの発現系を用いた時計遺伝子蛋白の発現について、時計遺伝子(BMAL,CLOCK,CRY1)発現ベクターの構築ののち、Bacmid DNAを作成する。BacmidDNA作成はBMAL,CLOCK,CRY1それぞれを組み込んだpFastBacベクターを大腸菌BmDH10Bacにトランスフォーメーション後、菌体を培養し、菌体よりカイコ用Bacmid DNAを抽出精製する。カイコでの時計遺伝子の発現、精製を進める。時計遺伝子蛋白の発現のために、Bacmid DNAをcellfectin溶液と混合したものをカイコ腹部に注射し、飼育後のカイコ体液を抽出し、抗His tag 抗体を用いたwestern blot法で時計遺伝子蛋白の発現を確認する。 蛋白が精製でき次第、培養細胞へ時計蛋白を導入し、サイトカイン(Il-12,IL-18など)分泌など生理活性の変化を測定する。 以上から、アレルギー発症増悪に関するアレルギー免疫系遺伝子および体内時計遺伝子と環境の相互関係の遺伝子分子レベルでの解明と、アレルギーのテーラーメイド医療確立と、創薬へ進める。
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