研究課題
本研究の目的は、アレルギー発症増悪に関するアレルギー免疫系遺伝子および体内時計遺伝子と環境の相互関係の遺伝子分子レベルでの解明と、アレルギーのテーラーメイド医療を含む治療法を確立することである。平成26年度には以下の成果が得られた。(1).ある種のアレルギー患者でのIL(インターロイキン)-12遺伝子のC3757TやIL-18遺伝子のC-133Gなどの変化の存在が確認された。(2).IL-18のタンパク構造の解明に引き続いて、IL-18とIL-18受容体との結合様式が解明された。(3).IL-12およびIL-18は、アレルギー患者で増加あるいは減少することが確認されているが、このうちIL-18のシグナル伝達系の調節のために、今回明らかになったIL-18とIL-18受容体の結合様式を利用して、その伝達系を調節する創薬についての研究を開始した。(4).時計遺伝子については、前年度に引き続きカイコでの発現系を進め、CLOCK遺伝子タンパクなどがウエスタンブロットで確認されたので、現在、精製を進めている。以上より3年間の本研究の成果として、①アレルギー発症増悪のアレルギー免疫系遺伝子および体内時計遺伝子と環境の直接的相互関係の遺伝子分子レベルでの解明として、体内時計遺伝子(主にCLOCK遺伝子)の発現の日内変動が明らかになった。また、アレルギー発症にブレーキをかけるIFN-γ産生は、pHなどの環境により変動した。体内時計遺伝子の精製を進めている。②アレルギーのテーラーメイド医療を含む画期的治療法の確立として、IL-18とIL-18受容体の結合様式の解明を利用して、アレルギー患者の治療に応用できるようにIL-18シグナル伝達系を調節する創薬などの開発に着手した。
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Personalized Medicine Universe
巻: 3 ページ: 11-14
日本医師会雑誌
巻: 143 ページ: 508-512