N-カドヘリンは、カルシウム依存性細胞間接着分子の一つで、細胞骨格形成に関わるとともに、正常造血において重要な役割を担っている。今回、小児急性白血病に注目し、白血病-骨髄ニッチにおける同分子の臨床的意義を検討した。N-カドヘリンはprimary/hTERT不死化骨髄由来ストローマ細胞(BMSCs)で高発現し、急性白血病の細胞株及び初発時検体のなかにも発現することを認めた。更に、BMSCsと白血病細胞との共培養実験で、同分子の接着抑制抗体を用いると、白血病細胞の薬剤感受が増強した。以上から、N-カドヘリンは、骨髄微小環境における小児急性白血病細胞の薬剤耐性機序に関与することが予想された。
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