研究課題
引き続き、新規ブドウ膜炎を呈した患者については、Card15遺伝子の異常の有無を検討している。異常の認められない患者が多い傾向は以前と同様である。新規遺伝子変異のある患者については、アミノ酸置換変異である場合、コンピュータ解析ソフトSIFTやPolyPhen-2を用いて解析したのち、実際に機能解析を行っている。具体的には、変異Card15遺伝子を、発現ベクター3xFLAQG-CMV-14 vectorクローニングし、HEK293T細胞に遺伝子導入して、ルシフェラーゼアッセイを用いた機能解析を行っている。明らかな機能異常を呈した場合のみ、Card15遺伝子異常が原因であると判断している。NLRP3遺伝子異常によるchronic infantile neurologic cutaneous and articular syndrome (CINCA症候群)患者も同様に、LPS刺激による単球の細胞死誘導を目安に機能解析を行い、新規患者登録を行った。iPS細胞の樹立も継続して行っているが、軟骨細胞の誘導については試みているがまだ成功には至っていないので、まずはiPS細胞に直接muramyl dipeptideで刺激し、mRNAの発現をみてみるなど機能的な解析につながるような予備実験を継続している。iPS細胞に直接iPS細胞の樹立は、九州大学生体防御医学研究所ゲノム病態学研究分野と共同で行っている。
2: おおむね順調に進展している
患者検体の採取は順調に進んでいる。Card15の機能解析、NLRP3遺伝子の機能解析は、予想より時間を要しているが少しずつ進行している。iPS細胞の樹立に関して、九州大学生体防御医学研究所ゲノム病態学分野と協力して進めることが可能となったため、今後は検体を送るなどの作業が不要となり、相互の意見交換が容易になっている。iPS細胞から種々の細胞への分化させる工程には、確認作業を含めもう少し時間を要するものと思われる。
ブドウ膜炎、若年性サルコイドーシス、自己炎症性疾患などの患者由来のiPS細胞作製を継続する。平行して、ルシフェラーゼアッセイを中心として、それぞれの疾患の変異遺伝子解析を行っていく。樹立した疾患特異的iPS細胞や健常者由来iPS細胞については、種々の分化した細胞に誘導し、その機能解析を行う。Card15遺伝子、MEFV遺伝子、NLRP3遺伝子変異による炎症病態について、各誘導した細胞の炎症性サイトカイン産生、それに関連したシグナル伝達経路の活性化状態などを評価していき、各疾患の炎症病態を明らかにする。
平成25年度は、試薬の残りを使用することが結果的に多く、新規の購入が少なかった。来年度は、試薬の残りからすると、購入すべきものが多くなることが予想される。試薬類は必要なものを最小単位で購入するよう努める。
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すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 14件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (13件) (うち招待講演 4件)
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