研究課題
【研究目的】1.小児アトピー性皮膚炎発症と腸内細菌叢網羅的解析結果との関連の解明 2.小児アトピー性皮膚炎経過と腸内細菌叢網羅的解析結果との関連の解明【研究実施計画】エコチル調査に登録している子どもたちを対象に、本研究を行う。エコチル調査では、子どもが生後1か月、6か月、以後6か月毎に13歳まで子どもの成長・発達・健康に関する質問票に保護者が回答するので、アトピー性皮膚炎の発症やその後の経過を追うことができる。子どもが生後1か月(母乳またはミルク)、6か月(母乳またはミルクと離乳食)、18か月(離乳完了)の3時点における便を採取し、経時的な腸内細菌叢の変動を次世代シークエンサーを用いてこれまでにない網羅性をもって解析する。【研究計画変更】生後3か月時の便も解析する。【研究成果】次世代シーケンサー、454 titanium(Roche)を用いて、乳幼児糞便より増幅された細菌16S rRNA V6-V8領域をシーケンスした。シーケンスには128通りのバーコード配列を用いて、計約50万から100万本のシーケンスを得るシーケンスシステムを用いた。これにより各サンプルあたり約5千から1万本のシーケンスを得ることができた。この配列データから得られる細菌分類学情報を基に各便サンプルの菌叢をプロファイルした。その結果、生後1~3か月までは、50から100種の細菌種が観察され、特にビフィズス菌が主体のビフィズスフローラが確認できた。一方離乳後は、ビフィズスフローラからより多様性に富んだファーミキューツフローラへの転換が確認され、菌種数は100から多いもので数百種が観察された。今後のエコチル追跡調査で、この乳幼児期の腸内フローラの形成と変化とアトピー性皮膚炎との関係、および遺伝的背景も含めて明らかにされることが期待される。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)
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