Semaphorin 3A (Sema3A) は元来、神経軸索伸長を抑制する因子である。しかし気道におけるSema3Aの産生や働きは知られていない。 2種類の気道上皮細胞はSema3AのmRNA、蛋白を恒常的に発現していた。poly(IC)は濃度依存性にSema3Aの産生を誘導した。好中球はSema3Aの受容体を発現している。Sema3Aは好中球のアポトーシス、遊走、メディエーター産生には影響しなかったが、貪食作用を増強した。以上よりウイルス気道感染により気道上皮細胞から産生されるSema3Aは、気道に遊走してきた好中球の貪食能を増強することを通じ、気道炎症に関与していると示唆された。
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