ダイヤモンド・ブラックファン貧血(DBA)の患者では、10種類以上のリボソームタンパク質(RP)遺伝子の変異が、約60%の患者で確認されている。本研究では、RPS19遺伝子(患者の25%で変異)のゼブラフィッシュオーソログの発現を抑制し(DBAモデル)、ポリソーム解析を用いて遺伝子の翻訳効率を明らかにした。興味深いことに、翻訳が抑制される遺伝子の中には多くの造血関連因子が含まれた。その一つの遺伝子のmRNAをin vitro合成しDBAモデルに注入したところ貧血様の表現型が回復した。この結果は、DBAの発症機序を解明する大きな手がかりになると考えられる。
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